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改訂版
天才空手家・山崎照朝を知ってるかい?

Do you know Terutomo Yamazaki who is jenius?

He called

 ”Dragon of kyokushin”
Terutomo Yamazaki is Karateka representing the 1960s when Kyokushin Karate was established by Mas.Oyama.

He won the championship at the first all-Japan tournament. Thereafter he played an active part as the top until the fifth all-Japan tournament.

For the same period, Yamazaki fought as the kickboxer who represented Kyokushin at a ring. He achieved victory after victory in the game of the kick boxing.

Yamazaki is genius Karateka which should be handed down forever.
私は山崎照朝が苦手である。というより好きではない。極真空手関係者の中で人間的に山崎と大山泰彦だけは嫌いだった(東孝などは下の下、例外)。

ところがある日、大山泰彦と酒席を共にした時、私は周囲に幹部がいるのも構わずハッキリと言った。

「泰彦師範、自分は極真関係者の中で泰彦師範が一番嫌いでした」

私の声に半ば驚きながら笑顔でうなづいた大山泰彦—この瞬間から一転して私は泰彦が好きになった。今では最も信頼出来る人物の1人だ。

大山泰彦も山崎も口の悪さが共通していた。目上も目下も関係ない。常に呼び捨て。そして口から出る言葉は悪口や貶し。要は誰に対しても馬鹿呼ばわりだ。それは泰彦師範より山崎の方が数段酷かった。
そんな山崎との付き合いは1990年以来続いた。池田書店から空手の基本技術書を出したいので編集協力を依頼された。夏、場所は忘れたが埼玉奥地の飯能付近に全日女子プロレスの合宿所があった。そこに泊まりながら山崎と内容を詰めた。だが、「自分も物書きだ」というプライドが邪魔するのか一向に構成は進まなかった。

ある日、大宮で山崎と落ち合った。私は部下の佐藤竹志を連れていた。ホテルのレストランでカレーを食べた。山崎はカレールーとライスをピラフ状態になるまで黙ってスプーンでかき混ぜ続けた。軽く10分以上、黙ってスプーンを動かした。私たちはとっくに食べ終えコーヒーを飲んでいた。

突然、カレーを食べ始めた。同時に口を開いた。

「小島は芦原を尊敬してるって?」

「はい」

「芦原の空手見た?」

「はい」

「芦原も添野も館長に嫌われて極真でたけど、出るわ出るわ奴らの悪口が。芦原は弱い奴としか組手しなかったとか、卑怯な技を使うとか。けどな、今の極真の回し蹴りも後ろ回し蹴りも横蹴りもみ〜んな芦原が作ったんだよ。極真の決まり事は中村チュー(忠)が作った。組手の技はみんな芦原が作った。今でも全国の支部長やチャンピオンが束になっても芦原には勝てねえよ。俺はキックにデビューするときも全日本に出るときも1カ月、芦原のところで特訓した。で、勝てたんだ。沢村(忠)や添野が負けたタイカンナンパイに勝てた(1RKO勝ち)のも芦原のおかげだ」

一緒にいた佐藤も山崎の話をメモし、録音した。それから私は山崎を好きになった—ところが数年後、私が山崎の言葉を自著に書いたら、「そんなこと言ってない」と電話がきた。「俺は誰にも世話にならず、敢えて言えば大山総裁から学んだだけだ」
人間の記憶は曖昧だ。だから山崎のみならず大沢昇や長谷川一幸も『芦原英幸 正伝』のなかでのインタビューなど知らないと言う。しかしこちらには録音テープが残っている。「自分はいっていない」「小島はウソを書いている」と陰で言うなら私に直接クレームをつけてくればいい。私の電話は公開しているのだから。空手の師範だ先生と言われながら、全く根性がない。
山崎も「自分こそが一番強かった」と言いたいのだろう。確かにそうだ。極真空手黎明期、極真のキックボクサーとして連戦連勝を記録し、第1回全日本大会でも圧倒的な強さで優勝した。現役最強の空手家だったことを疑うものは誰もいないはずだ。

「苦手」「嫌い」は感情に過ぎない。空手家としての技量の素晴らしさは理性で判断する。頑迷、偏屈にして唯我独尊、排他的な山崎を今も好きになれない。

しかし、山崎照朝は極真空手史上永遠に語り継がれるべき天才空手家であることは疑いない。添野が「陰」とすれば山崎は「陽」、龍よく虎を絶つ華麗な極真空手の華だった。